定年退職したあとの失業保険と年金の関係

■初めに
定年退職したあとの失業保険と年金との関係はどうなるのであろうか。
結果を言えば、失業保険が支払われている場合、年金の方の支払いがストップされる。
その前に、定年退職とは何か。
失業保険、年金、これらの給付要件や給付の内容はどうなっているかを解説したいと思う。

■定年退職と失業保険と年金の基礎知識
定年退職は就業規則にその年齢が決められていることが多いと思う。
定年退職の年齢は60歳〜65歳未満としているところも多いのではないだろうか。
この60〜65歳の間に定年退職した者でも、雇用保険の保険料納付期間等の要件を満たしている限り、失業保険は行われる。
失業保険は60歳から65歳の間では、会社から離職証明書をもらって、公共職業安定所へ行き、離職票を貰うことからスタートする。
ちなみに、離職証明書は59歳以上の者へは、必ず会社は交付しなければならない。
定年退職した場合の失業保険は、一般被保険者となることが多く、それに該当する場合は、失業保険の上限が決まっている。
賃金日額が2050円以上4040円未満の場合の失業保険は、賃金日額の100分の80。
4040円以上10470円以下の場合の失業保険は、100分の80から100分の45まで。
10470円以上の場合の失業保険は、100分の45となる。
定年退職した一般被保険者の所定給付日数は、算定基礎期間が10年未満であれば90日。
10年以上20年未満であれば120日、20年以上で150日となる。
定年退職した者はこの日数分失業保険の給付を受けることができる。
ただし、定年退職した者は、生年月日によっては厚生年金の支給を受けることができることもあるのだが、失業保険との絡みで調整されることになる。

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■定年退職したあとの失業保険と年金の関係

ある一定の年齢になると、厚生年金に加入していた者は年金を受け取れることとなる。
以前平成10年以前は、定年退職をし、年金をもらっていたものでも失業保険を受け取ることができていた。
しかし、法律の改正があり、失業保険を受け取っていれば年金の老齢厚生年金の支給はストップされることとなった。
「高齢者の就業意欲を妨げる」というのが理由だ。
つまり、定年退職したあとの失業保険と年金との関係では、雇用保険上の基本手当が優先して支払われるということだ。
この調整の対象となる期間は、求職の申し込みがあった月の翌月から受給期間が経過した月や所定日数分の給付を受け終わった月までだ。
なお、失業保険の受給可能期間は1年だが、定年退職した者はこれにプラス一年することができる。
延長の要件だが、離職の日の翌日から2カ月以内に、「受給期間延長申請書」を公共職業安定所長に提出して行うこととなる。

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