遺言書の書き方【間違いだらけの遺言書との比較】
このページでは間違った遺言書の文面と比較しながら
遺言書の書き方を解説していきます。
@タイトルについて
×間違った遺言書の書き方
「遺書」
遺書でも大丈夫なのですけど、タイトルはやはり「遺言書」がいいですね。
実はこのタイトル、無くても大丈夫です。
タイトルについては、民法は特に触れていません。
○正しい遺言書の書き方
「遺言書」
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A特定の人に財産を相続させたい場合について
×間違った遺言書の書き方
「長男の田中真一に、現在自分が住んでいる家を渡す。」
この場合、間違いは二か所です。
遺産は特定しなければなりません。
できれば不動産であれば登記簿謄本(全部事項証明書)を取得して、そこに書かれている通りに書きましょう。
また、「渡す」とか「あげる」とか「やる」等の書き方は大変危険です。
「相続させる」と書きましょう。
○正しい遺言書の書き方
「長男の田中真一に、次の物件を相続させる。
建物
所在 岩手県上北郡大あらし村字木枯らし5番地4
家屋番号 5番6−2
種類 居宅
構造 木造瓦葺平屋建
床面積 百平方メートル」
B相続人以外の人に、財産をあげたい場合について
×間違った遺言書の書き方
「鈴木どら子さんに、現金500万円をあげる。」
相続人以外の人物に遺産を挙げる場合は、
「あげる」とか「譲る」等の表現は危険です。
「遺贈する」と書きましょう。
また、遺贈する人を生年月日等で特定しておくこともしておきましょう。
○正しい遺言書の書き方
「鈴木どら子(平成2年2月2日生まれ)へ現金500万円を遺贈する。」
C遺留分について
×間違った遺言書の書き方
「妻 吾妻聡子へ全ての財産を相続させる。なお、長男の遺留分は取り上げる。」
遺留分は法律上、一定の者へ一定の割合で相続分を保証する法律の決まりです。
それを遺言者の一存で排除することはできません。
○正しい遺言書の書き方
「妻 吾妻聡子へ全ての財産を相続させる。」
※「長男は遺留分の請求をしないでほしい。」旨の請願的なものは書けます。
D遺言書への日付について
×間違った遺言書の書き方
「平成28年8月中旬」
日付はちゃんと特定しなければ、遺言書は効力を生じません。
特定できればいいので、「平成○年春分の日」とかも良いとされていますけど、
できれば日付は遺言書を書いた日付を書きましょう。
○正しい遺言書の書き方
「平成28年8月24日」
E遺言書への署名と押印について
×間違った遺言書の書き方
「遺言者 幸助 拇印」
拇印でもよいという裁判例があります。
けど、できれば印鑑(できれば実印+印鑑証明書)で押印しましょう。
遺言書へは「氏名」を自署しなければなりません。
○正しい遺言書の書き方
「遺言者 松波幸助 印」
著者 行政書士 坂谷洋一
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