契約書の書き方 3つのポイント

1、契約書の書き方は法律に基づいて
失敗しない契約書の書き方は、法律に基づくことが何より大事となる。
契約と呼ばれるものは民法の定型のものから、非定形のもの。
会社法や労働基準法上のものまで、その種類は膨大だ。
契約書の書き方としてはこれらの法律に反しないように書き記さなければならない。

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売買での契約書の書き方では、民法に規定されている、双務・諾性・有償契約である点を押さえて書かなければならない。

※注意:双務とは例えば2当事者が双方債務を負っていること。
諾性とは、現物の受け渡し等ではなく、意思の合致のみで契約が成立すること。
有償とは、無料ではないということ。

贈与の契約書の書き方は、これも民法に規定されている通り、片務・諾性契約である点を押さえて書かなければならない。
特に、贈与契約は、一方の贈与の意思だけでは成立せず、受贈の意思がなければならないので、そこの書き方を注意する必要がある。

他にも、雇用、委任、貸借、任意後見等の法律の規定が多くあり、
契約書の書き方の最大のポイントとしては、個別ケースに法律をあてはめ、穴のないように書く必要がある。


2、具体的な契約書の書き方
具体的な契約書の書き方について見ていきたいと思う。

まず、タイトルだが、これはその契約内容にあったものであればなんでも良い。
契約書の書き方で重要なのが、内容の方であり、タイトルだどうつけてもよいのだ。
例えば和解の契約書の書き方の場合、タイトルが和解契約書であっても、覚書であっても、内容がちゃんと和解であれば、それは真正に成立する。

次に大体は、第1条として、誰と誰がどんな内容の契約をするのかを書き記す。

そして、2条以下からの契約書の書き方については、その内容の具体的条件等を書き記すことになる。
そこで気を付けたいのが、
・誰と誰が
・どのようなことを
・どのように
・どれだけ
・どの金額で
・いつからいつまで
を、はっきりさせるのが、契約書の書き方の最大のポイントとなる。
つまり5W1Hが重要だということだ。

これらを押さえた契約書の書き方をするといいということになる。

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下に売買の契約書の書き方の例を挙げておく。

木材売買契約書

売払人          (以下「甲」という。)と買受人         (以下「乙」という。)との間に於いて、下記の条項のとおり木材売買契約を締結する。

第1条 
売買の目的物件は下記のとおりとする。

一、樹種

二、材積

三、本数

第2条
売買代金は、金           円也とする。

うち取引に係る消費税額          円也。

第3条
乙は、前条の売買代金を、平成   年   月   日までに支払うものとする。

第4条
物件の引渡しは、売買代金の支払いを完了した時に、甲から乙に引渡しがあったものとする。

第5条
この契約に関して第三者から異議の申し立てがあった場合は、すべて甲の責任に於いて解決し、乙に損害を与えないものとする。

第6条
この契約の各条項に明示のない事項について疑義を生じた場合は、一般慣習及び条理に従って甲、乙協議の上処理するものとする。

上記契約締結の証として本書2通を作成して各々署名捺印の上各自その1通を所有する。

平成   年   月   日

売払人(甲)住所

       氏名

       連絡先


買受人(乙)住所

       氏名

       連絡先


3、契約書の書き方その他のポイント
契約書の書き方で、内容以外で気を付けたいポイントを紹介する。
まず、契約書の数字だが、これには1、2、3、4、5、0などの簡単な数字はできるだけ使わない方がいいだろう。
改ざんが可能となるからだ。
特に金額が大きい契約書の数字の書き方としては、壱、弐、参、萬などの難しい数字を書いた方がいいだろう。

あと、訂正するときの契約書の書き方は、訂正印を使って訂正する。
訂正個所が多い場合は、契約書そのものを書きなおした方がいいだろう。

契約書の書き方でその他重要なのは、印鑑の考え方を押し方だ。
印鑑は署名とセットと考えられているが、実は、民事訴訟法いわく、その文書が真正に成立すると推定されるのが、署名または記名押印となっている。
つまり、真正に成立されると推定される契約書の書き方というのは、署名だけでいいのだ。
でももちろん、押印はできればセットとしておきたい。
そして、契約書の書き方でも、印鑑の押し方だが、これは陰影が欠けないようにするべきだ。
そして、上記の売買契約書の例のように2通作成する場合には契印は欠かせないものとなる。

以上、契約書の書き方の3つのポイントを押さえて、穴のない書面を作成していただきたいと思う。

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